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Sarah Bernhards & Maria Callas

19世紀末から1914年に第一次世界大戦が始まるまでのフランスは、
ベル・エポック期と呼ばれ、パリが最も華やかに繁栄した時代でした。
文化や芸術が花開くなか、その象徴として輝いたのが、
国際的スターとして一世を風靡した舞台女優のサラ・ベルナールでした。
そして1923年にこの世を去ったサラと入れ替わるように生を受けたのが、
20世紀最大のオペラ歌手といわれるマリア・カラスです。
交差することのない二人の縁は、
ともに「黄金の声」と称えられることで後世に語り継がれていきます。
演劇とオペラと舞台は違えど、共通した役を数多く演じた時代のミューズと歌姫。
2023-2024年秋冬リッチモアは、没後100年のサラ・ベルナールと
生誕100年のマリア・カラスが共に演じた役柄をイメージソースとしてデザイン展開します。

1 Médeia
「メデイア」

ギリシャ神話をベースにした復讐劇。
コルキス(現在のジョージア)の王女・メデイアは、
恋に落ちたイアソンのために国を捨てて彼とともに暮らしますが、
権力に目のくらんだイアソンに裏切られ、復讐を果たすというお話。
サラはカテュール・マンデスによる「メデ―」を演じ、
マリアはルイジ・ケルビーニによるオペラ「メデア」を歌いました。
このセクションはコルキスや西アジアの古代モチーフや図柄を用いた
エスニックテイストのアヴァンギャルド・スタイルを、
シックなダークカラーでまとめています。
BR-14302

ヨーロッパとアジアの交点・コルキスのエスニックなデザインを楽しむ8色使いの編み込みベスト。サイドスリットを深めにした旬のスタイルです。

使用糸

パーセント、パーセント<バリエーション>

BR-14305

三角形の縁編みを裾と袖にあしらった七分袖のプルオーバー。マリアのきらめく足跡をたどるように4色のドットを描きました。

使用糸

パーセント<バリエーション>、スターメ、スターメツィード

BR-14306

ゆるめの透かしウェーブを生かしたシアーニットは今季のトレンド。絶妙な落ち感と抜け感が女性らしい軽量ロングベストです。

使用糸

ファインスノー

BR-14308

アシンメトリーな模様を配した6玉で完成できるメンズのプルオーバー。絡み合う螺旋模様は「メデイア」の基になったギリシア神話へのオマージュ。

使用糸

アンデネス

2 Phèdre
「フェードル」

古代ギリシャ、アテネ王の後妻であるフェードルが、
前妻の息子へ一方的な恋慕の炎を燃やし、自らの運命を破滅へと狂わせていく物語。
フランスの劇作家、ジャン・ラシーヌが書いた「フェードル」は
古典悲劇の一大傑作とされ、サラ最大の当たり役となりました。
このセクションは、都市国家アテネの洗練されたクラシックなイメージを、透明感のある色使いで表現。
憂いのあるペール、ライトな青紫やグレーを用い、クラシックでエレガントなデザインに仕上げています。
BR-14310

サラの瞳は観る者を虜にする「神秘の窓」。ダイナミックなケーブルと透かし模様で仕上げたロングベストは、その力に見合う存在感があります。

使用糸

テアトル

BR-14312

ふとした瞬間にキラリと光る。だからこそ目を離すことができない。マルチカラーのラメのファンシーヤーンとゴールドラメの編み込みプル。

使用糸

ジンニーヤ、サスペンス

BR-14313

芸術家のよきパトロンでもあったサラ。すっきり伸びるねじり目の縦ラインは先を見通すサラの見識。無名だったアルフォンス・ミュシャは彼女の上演ポスターを描いて売れっ子に。

使用糸

パーセント<バリエーション>

BR-14314

狂おしい激情の果てにたどり着くのは、限りなく透明に近い真実。シンプルな編み地で透け感を演出した「フェードル」風シアーカーディ。

使用糸

ファインスノー

3 La Dame aux Camélias La Traviata
「椿姫」

舞台は1845年頃のパリ。
ヒロインはパリ社交界の花形であるドゥミ・モンデーヌ(高級娼婦)、
マルグリット・ゴーティエ(ヴェルディのオペラではヴィオレッタ・ヴァレリー)。
純情な青年との真実の愛は、彼の将来のために身を引いたマルグリットの死で終わります。
サラもマリアもそれぞれヒロインを演じ、いずれも当人たちの当たり役の一つとなりました。
このセクションは、ペールやライトグレイッシュトーンのピンクを主体としたクチュール感覚フェミニンなスタイル。
華やかでありながらもソフトで繊細なイメージにこだわりました。
BR-14316

衿元を飾る花モチーフとボリュームスリーブが愛らしいグリッドパターンニット。後ろ丈が長いフィッシュテールです。

使用糸

ファインスノー

BR-14317

放射模様が印象的なジャケットは、ラウンドカットのショールカラーが決め手。カジュアルからフォーマルシーンまで幅広く使えるアイテムです。

使用糸

テアトル

BR-14318

4色の糸を使ったかぎ針編みのノーカラージャケット。襟元には「椿姫」のモデルになった女性、マリー・デュプレシスが愛した椿の花のコサージュをひとつ。

使用糸

ファインスノー、パーセント<バリエーション>、スペクトルモデム

BR-14319

後身頃のタックドレープが歩く所作に合わせ、なびくような美しいシルエットを作り出す丸ヨークのフレアカーディ。

使用糸

ファインスノー

4 Norma
「ノルマ」

ガリア地方(現在のフランス)の尼僧ノルマは、
この地を占領するローマの地方総督ポリオーネと密かに愛し合っていました。
しかし彼は若い巫女へと心変わりをし、ノルマは信仰と祖国を背いた罪を死という自己犠牲で贖う道を選びます。
ヴィンチェンツォ・ベルリーニの「ノルマ」は、マリアが生涯を通して最も多く歌い、大絶賛された役でした。
このセクションは、オフホワイトをベースにしたラスティックでエレガントなスタイルを表現。
編み地には植物を連想させる模様を用い、ナチュラル感を演出しています。
BR-14321

かぎ針編みのフードつきロングコートは、糸そのもののニュアンスを楽しめる 長編みを主役にしたベーシックなデザイン。清楚でレトロ感な外套風のシルエットが素敵。

使用糸

ファインスノー

BR-14322

ドルイド教の最高位の尼僧だったノルマ。まっすぐ編む四角ポンチョの模様には、神事に用いた植物、クマツヅラをあしらいました。かぶるだけでコーデが決まる、着やすい形です。

使用糸

アルパカレジェーロ<グラデーション>

BR-14324

ドルイド教で神聖視された神が宿るオーク樹とそこに生える宿り木をモチーフにしたドロップショルダーのベスト。大胆なバスケット編みが印象的。

使用糸

シェヘラザード

BR-14325

ヴィンチェンツォ・ベルリーニの「ノルマ」はマリア・カラスが生涯で最も多く歌った役。
心揺さぶる歌声を編み込み模様で表したフェアアイルの丸ヨークプル。

使用糸

パーセント<バリエーション>

5 Tosca
「トスカ」

舞台は1800年のローマ。
「トスカ」は、宮廷歌手のトスカ、恋人で画家のカヴァラドッシ、
権力でトスカを我がものにしようとする警視総監スカルピアによる、
愛憎の三角関係を描いた悲劇です。
サラはこの劇中、高所から飛び降りるシーンで膝に怪我を負い、のちに右足の切断を余儀なくされます。
マリアは「トスカ」でプロデビューを飾り、最後に「トスカ」を演じ、舞台から引退しました。
そんな特別な作品でもある「トスカ」のセクションは、二人の情熱的で力強い世界観を打ち出し、
黒、赤を基調としたゴージャスでドレッシーなスタイルで存在感を高めています。
BR-14327

見せ場が多く、観客を熱狂させた「トスカ」。上質なカシミアプルは舞台衣装でも
しばしば用いられたドラマチックな赤。ウエストにかけてシャープに見せるデザイン。

使用糸

カシミヤ

BR-14328

感情の激しい歌姫トスカのイメージをリズミカルな色の濃淡で表現したAラインのプルオーバー。透かし模様のダイヤ柄とサイドゴアにこだわりました。

使用糸

パーセント<バリエーション>、パーセント

BR-14329

サラ・ベルナールの舞台衣装は当時のファッション界にも影響を与えました。
大柄の透かし模様の丸ヨークプルは独特のとろみ感で女性の艶やかさを演出。

使用糸

エクセレントモヘア<カウント10>グラデーション

BR-14330

サラの舞台に突き動かされ、音楽家プッチーニがオペラ化し、
マリアが歌った「トスカ」。劇的な二人の人生を胸元に編み込んだAラインのプルオーバーです。

使用糸

テアトル、アルパカレジェーロ