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Pablo Picasso

「20世紀最大の芸術家」と呼ばれるパブロ・ピカソ。
スペインが生んだ天才画家はその人生とリンクするように、一つの定義には当てはまらない斬新な作風を生み出しました。
ピカソを語る上で欠かせない「キュビズム(立体主義)」は、奇抜でよくわからない絵というイメージがありますが、
そこに至る工程を知ると、それらは単なる抽象画ではなく、計算されつくした具象画であることがわかります。
従来の写実主義から解放され、対象の本質を見据えながらも自由な色彩で奔放に筆を走らせたピカソ。
享年91歳という人生の中で、彼は描写のテイストが違ういくつもの時代を築いてきました。
没後50年を経た今、その多彩な造形思考が改めて注目されています。
2023年春夏リッチモアは、ピカソの様々な表現スタイルをイメージソースとしてシーズン展開をしました。

1 The Blue Period
「青の時代」

ピカソの「青の時代」にあたるのは1901~1904年。
当時のピカソは20歳を過ぎた頃で、
家族と離れて自立を模索する時期でもありました。
二度目のパリ滞在が始まりましたが、経済的に安定した生活には程遠く、
親友カサヘマスの自殺の衝撃もあり、孤独と苦悩から陰鬱な作品が続きます。
作品には社会の不条理や底辺の弱者への共感、近代化の陰に潜む悲哀や絶望が、
プルシアン・ブルーで表現されています。
このセクションは深いブルー系の色によるシンプルなカジュアルスタイルを展開。
BR-14201

宵闇の青は刻々と深みを増していく。
そんな時代の色に染まった
かぎ針編みのシルクのカーディガン。
小さめのフードは首元の日焼け対策に。

使用糸

ザ・シルク

BR-14202

少年時代は写実画を描いていたピカソ。
その綿密さを彷彿させる
変わりメッシュパターンのプル。
メリヤス編み後ろ姿にもニュアンスあり。

使用糸

ドラ・マール

BR-14203

青に見える色も決して1つの色で
できているわけでなく。
心の機微を色彩にしたマント風プル。
風通し良く、涼しく着られます。

使用糸

ゲルニカ

BR-14204

ロングジレのグラデーションは
移りゆく時代の波をイメージ。
大きめの透かし模様で軽やかに仕上げた
トレンドアイテムです。

使用糸

ゲルニカ

2 The Rose Period
「バラ色の時代」

テイストががらりと変わったのが、1904年。
恋人フェルナンド・オリヴィエと出会い、ピカソの生活に精神的な安らぎと活気が訪れます。
作風も明るく穏やかな色調となり、この時代は1907年まで続きます。
アフリカ彫刻やイベリア彫刻の影響を受けた時期でもあり、
キュビズムの端緒となる傑作「アヴィニョンの娘たち」も描かれました。
このセクションでは淡いローズピンク系の色によるフェミニンなスタイルを展開します。
BR-14207

通称「洗濯船」というモンマルトルのアパートで
恋人と同棲していたピカソ。
かぎ針編みのシルクカーディガンで
華やかなフランスのエスプリを身につけて。
扇模様の六分袖の華奢見え効果に注目。

使用糸

ザ・シルク

BR-14208

緩やかなシルエットに女性らしさを感じる
地模様と透かし模様の2wayプル。
バタフライスリーブでフェミニンな印象に。

使用糸

ドラ・マール

BR-14210

オレンジや明るい茶系も
バラ色の時代で好まれた暖色カラー。
四角モチーフつなぎの前あきベストは
着丈もたっぷり。後ろの襟あきのV字もポイント。

使用糸

ドラ・マール

BR-14211

普段着として気軽に羽織れる簡単ジレ。
歩くたび、揺れるシルエットが素敵です。
後ろ身頃の透かし模様は前立てとリンク。
斜めにあいた袖口が着やすさの秘密。

使用糸

ゲルニカ

3 The Cubism Period
「キュビズムの時代」

キュビズムの時代(1907~1916年)は作品「アヴィニョンの娘たち」から始まります。
キュビズムは旧来の遠近法を排除し、立体の対象物を様々な視点から観察し、
分解、再構築の工程を経て平面化する手法です。
時代の後半は壁紙や新聞などを利用したコラージュを組み合わせ、現実との接点を意識しています。
このセクションでは配色数を極力抑え、線、面、形によって構成するアヴァンギャルドなスタイルを作りあげました。
BR-14213

横に編むデザインのプルオーバー。
身頃に配置したダイヤ形の透かし模様は
面の構成が特徴的なキュビスムの手法をイメージ。
袖はシンプルな模様編みでメリハリを。

使用糸

スビンゴールド

BR-14216

いつの時も迷ったら戻ってくるのが、
スタンダードな基本の形。
地模様の棒針シンプルベストは
何枚も持っていたくなる定番アイテムです。

使用糸

ドラ・マール

BR-14217

中央に縄編みを配したサイドスリットの
シンプルロングベスト。糸名のドラ・マールは
キュビスム時代の代表作「泣く女」のモデル名。

使用糸

ドラ・マール

BR-14219

シルク糸で編む、折り紙ニットのベスト。
発想の転換から生まれるデザインもまた一興。
キュビスムの手法が生まれたのも、
写真の発明により、写実画の価値が
くつがえされる時代になったからこそ。

使用糸

ザ・シルク

4 The Neoclassicism Period
「新古典主義の時代」

この時代(1917~1924年)、ピカソはバレエダンサー出会ったオルガ・コクローヴァと結婚。
第一次世界大戦後のフランス国内における秩序回復に加え、
ロシア・バレエ団のための舞台や衣装のデザイン構築、初めてのイタリア旅行などの影響から、
かつての芸術傾向であった古典主義(調和のとれた理想美)に回帰した作風へと一変します。
このセクションでは懐古的な白を基調にクラシックでエレガントなスタイルをお届けします。
BR-14221

ピカソがギリシャやローマの古代美術に
影響を受けたのもこの時代。
建築物のレリーフのようなモチーフを
編みつないでシルエットを作るAラインベスト。

使用糸

カタルーニャ

BR-14222

高潔な月桂樹のようなリーフ模様を
ネックから編み下ろすAラインチュニック。
サイドはシンプル模様でサイズ変更も可能に。

使用糸

ザ・シルク

BR-14223

グラデーションの濃淡と模様の立体感で
編み地に奥行きをつけた羽織もの。
前後身頃続けて編むので仕上がりもスピーディ。
冷房対策にも役立ちます。

使用糸

ゲルニカ

BR-14224

片側だけ腕を通すことでズレ落ちがふせげる、
かぎ針編みの直線シルクショール。
ギリシャ彫刻を想起させる
ストールのドレープが洒落感を高めます。

使用糸

シルクレリーフ

5 The Guernica Period
「ゲルニカの時代」

1929年の世界大恐慌、治安の悪化、第二次世界大戦とファシズムへの脅威などといった混沌としたゲルニカ時代(1925~1945年)。作品には不安や死などといったテーマが破壊的でパワフルな画風となって現れます。
1937年には美術史において20世紀最大の反戦壁画と呼ばれる「ゲルニカ」が制作されました。
このセクションでは、ピカソの内面から溢れ出る力強さを多色使いのアルチザンスタイルのニットで表現します。
BR-14226A

ゆとり感のあるマント風プルは
スビンゴールドの4色使いがアクセントに。
アーティスティックな多色使いを楽しんで。

使用糸

ゲルニカ、スビンゴールド

BR-14226B

複雑な色彩が力強い華やかさを演出する
BR-14226Aと糸違いで編んだマント風プル。
腰まで隠れる着回ししやすい丈感です。

使用糸

ゲルニカ

BR-14227

5玉で作れるネット編みのプル。
ネックから編み始めるデザインなので、
着丈を自由に調整できます。
夏の重ね着コーデにおすすめのアイテム。

使用糸

ゲルニカ

BR-14228

ゲルニカ以降に描いたピカソのシックな色彩を再現。
デコルテをきれいに見せるキーネックのプルは、
身頃はかぎ針で横に編み進めます。
複雑そうな模様も1段ごとに色を変えるだけでOK。

使用糸

ドラ・マール