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Surrealism 100

シュルレアリスムとは、人間の無意識の世界を表現しようとする芸術運動のことをいいます。
超現実主義とも呼ばれ、前身となる芸術運動・ダダの中心人物だったアンドレ・ブルトンが、
精神科医・フロイトの精神分析学に大きな影響を受け、1924年に「シュルレアリスム宣言」をしたことから始まりました。
この活動は、ダダのテーマだった秩序の破壊に加え、現実の延長にある世界観=精神の深層に迫った新しい表現を作り上げていきます。
その主軸になったのは、「理性によるあらゆる検閲を排除し、美学上、道徳上の一切の先入観から離れて行われる思考の真の書取り」と謳われた定義です。
2024年秋冬、リッチモアは「シュルレアリスム宣言100年」を機に、
画期的な表現方法を取り入れて無意識の世界の表現を試みた5人のアーティストの創作をイメージソースとして展開します。

1 Giorgio de Chirico
「ジョルジョ・デ・キリコ」

ジョルジョ・デ・キリコはイタリアの画家。
10代からすでに抽象絵画へ興味を示していた彼は、アテネやミュンヘンで美術を学んだのち、23才には渡仏します。
歪んだ遠近法、静謐な都市空間、無機質な彫像。彼の描く「形而上絵画」が
パリのサロンに出品されたのは、なんとシュルレアリスム宣言より前のこと。
その神秘的な描画法は一気に注目を集めます。このセクションではシックな緑や茶をベースに、
体のラインを意識したクラシックあるいはアヴァンギャルドなスタイルを展開。
BR-14504

大きな衿とポケットのついたニットコート。
やや背中側になる袖のつけ方に注目。
後期は古典絵画へ回帰したキリコのやわらかな陰影表現を感じる編み地です。

使用糸

テアトル

BR-14505

異素材切り替えのラグランプル。
ストレートヤーンの編み地の一部を質感の違う糸に置き換えることで
キリコの代名詞「形而上絵画」の世界を表現。

使用糸

コラージュ、アルパカレジェーロ

BR-14506

幻想的な都市風景を連想させる格子状の地模様プル。
身頃のタックと裾のスリットがポイント。
静止した記憶の中の景色をデザインに。

使用糸

スターメツィード

BR-14507

スペクトルモデムで編む透かし編みのプルとアルパカレジェーロ2本どりのニットスカート。
ニュアンスの違うグリーンを組み合わせたON/OFF使える小粋なセットアップです。

使用糸

スペクトルモデム、アルパカレジェーロ

2 Man Ray
「マン・レイ」

マン・レイはアメリカの画家、彫刻家、写真家、映画制作者。
ダダとシュルレアリスムのどちらの活動にも関わった芸術家の一人です。
ニューヨークからパリに移住。
前衛写真の先駆者で、印画紙の上に直接物を置いて感光させるレイヨグラフ、
露光を過多にして白黒を反転させる技法・ソラリゼーションなどを作品に用い、
描くだけではない表現の可能性に挑みました。
このセクションは無彩色のグラデーションヤーンの効果を面白く活かした視覚効果のあるデザインでまとめています。
BR-14510

身頃の地模様と対照的な毛足の長い編み地を肩&袖に配したプル。
切り貼りするようなコラージュの手法を胸元の切り替えに取り入れました。

使用糸

ロプロプ、パーセント〈バリエーション〉

BR-14512

実験的な表現を何度も試みたマン・レイ。
写真家だった彼の視点で切り取った編み地たちを再構築したらどうなるか。そんな想像から生まれたメンズプル。

使用糸

バカラ・エポック、パーセント〈バリエーション〉、アンデネス

BR-14513

メリヤス編みのフレアベスト。
たっぷりギャザーを入れて360度きれいに見える立体的なシルエットにこだわりました。
胸元をねじってアクセントに。

使用糸

ファインスノー

BR-14514

代表作「アングルのヴァイオリン」を彷彿させるウエストシェイプのカーディガン。
女性の曲線的なラインを主題にした作品が多いのもマン・レイの特徴です。

使用糸

カシミヤ

3 Joan Miró
「ジョアン・ミロ」

ジョアン・ミロはスペイン・バルセロナ生まれの画家。
初期は心で捉えた豊かな色彩を表現するフォーヴィスムや
モチーフを幾何学的に構築して描くキュビズムの影響を強く受けていましたが、
次第に幻想的なシュルレアリスム絵画に装飾性を加味した
天真爛漫なドローイングや詩的で鮮やかな色彩による独自の画風を確立します。
後期は陶器や彫刻も手がけるように。
このセクションではストレートヤーン、及びファンシーヤーンの
組み合せによる編み込みデザインをお楽しみください。
BR-14515

ミロの絵画はデフォルメしたモチーフと鮮やかな色彩が特徴です。
前衛的でありながらプリミティブで温かみを感じる作風を
ショールカラーのかぎ針編みジャケットで表現。

使用糸

コラージュ、スペクトルモデム

BR-14516

心象風景の故郷を描き続けたミロ。
多色使いのプルオーバーは色の切り替えで広がる大地を表し、あえて垂らした糸で遊び心をプラス。

使用糸

コラージュ、アルパカレジェーロ、アルパカレジェーロ〈グラデーション〉

BR-14517

太陽や星など日常のモチーフを詩的に取り入れた彼の作品は、シュルレアリスムが持つ閉塞感を打ち破る自由奔放さが魅力。
そんな独自の作風を編み込み模様にしたメンズのプルオーバー。

使用糸

パーセント

4 Max Ernst
「マックス・エルンスト」

マックス・エルンストはドイツの画家。
大学時代に哲学を専攻し、フロイトの精神分析学の知識を得ます。
キリコの「形而上絵画」に刺激を受けてコラージュ&リトグラフの画集を刊行すると、
居をパリに移し、絵画、コラージュ、版画などの技法を駆使した
シュルレアリスムを代表する幻想的な作品を生み出していきます。
鳥や森は重要なテーマでもありました。
このセクションでは、ファンシーヤーンのテクスチュアが生み出す視覚効果を活かした斬新なデザインを提案します。
BR-14520

前身頃を大胆に切り替えたドロップショルダーのチュニック。
ブラウンと濃ピンクの配色とやわらかなフレアが愛らしい。

使用糸

コラージュ、エクセレントモヘア〈カウント10〉

BR-14521

引き上げ模様で仕上げる羽織りは作品で描かれる鬱蒼とした森をイメージ。
ストンと落ちるスリムなシルエットと腰回りが隠れる丈感が使いやすい。

使用糸

バカラ・エポック、アルパカレジェーロ

BR-14522

「ロプロプ」の糸で編むポンチョケープ。
適度な膨らみと艶感で高級感のある仕上がりに。
身体のラインに沿うのでシルエットも綺麗。
15号の棒針で手早く編めます。

使用糸

ロプロプ

BR-14523

エルンストの作品の魅力は夢と物語が交差する神秘的な世界観。
シンプルなメリアス編みのプルオーバーもテクスチャーの違う糸の組み合わせで編み地の表情が変わります。

使用糸

ロプロプ、バカラ・エポック、パーセント

5 Salvador Dalí
「サルヴァドール・ダリ」

サルヴァドール・ダリはスペイン・フィラゲス(カタルーニャ北部)生まれの画家。
フロイトの「夢判断」に強烈な影響を受け、作風は緻密な写実と幻想を掛け合わせた独創的な造形思考に傾きます。
第二次世界大戦後、彼の関心は核の衝撃から粒子レベルの不可視な物理学の世界へ移行。
このセクションでは意外な素材感や編み地、手法、柄の組み合わせに加え、
ボンボンや丸モチーフなどをアクセントにした「原子絵画」を彷彿させるデザインなども取り入れました。
BR-14527

代表作「記憶の固執」をはじめ、ダリの描く荒涼とした大地の色を想起させるブラウンの丸ヨークプル。
胸元の地模様と裾の切り替えでリズムカルに。

使用糸

ロプロプ、アンデネス

BR-14528

打ち寄せる波のようなブルーは不可思議な夢幻世界の海の色。
名作「球体のガラテア」をベースにして引き上げ模様で凹凸をつけた円形模様のプルオーバーです。

使用糸

パーセント〈バリエーション〉、パーセント

BR-14529A

覚醒と夢の狭間で見えてくる現実。
身頃には透かし模様を非対称に配置して内面世界の微妙なずれを表現しました。
4玉で編めるプルーオーバーです。

使用糸

アルパカレジェーロ〈グラデーション〉

BR-14530

ネックから編み広げるかぎ針編みの円形ポンチョ。
「レダ・アトミカ」で描かれた白鳥のような軽やかな浮遊感が魅力です。
透かしが多くて編み進めやすいのも魅力。

使用糸

コラージュ、アルパカレジェーロ